みなさんこんばんわ。
札幌ライブチャット業界のイキシモ彰です。
さてみなさん、「セイラーのリンゴ」ご存知でしょうか?
僕の大好きな機動戦士ガンダムの「セイラー・マス」ではありませんよ?
「リチャード・セイラー」という経済学者がおりましてその学者がある論文を発表しました。
※出典参考「(イアン・エアーズ著)やる気の科学」
単純にその論文の質問事項を羅列すると以下の選択肢になります。
(A)1年後にリンゴ1個
(B)1年と1日後にリンゴ2個
さてどちらがいいでしょうか?
よほど偏屈な人でない限りはBの1年と1日後にリンゴ2個を選択するでしょう。
ところが、です。以下の2つの選択肢ではどうでしょうか?
(C)今日、リンゴ1個
(D)明日、リンゴ2個
おもしろいことに多くの人はこの2番目の質問に対し一貫性のない回答をしたのです。
最初の質問では「1日我慢して2個もらう」と返答した多くの人が「今すぐ」という話しになると別の答え、つまり
「(D)より(C)の方が良い」と言うのです。
例えば近所のスーパーで120円の卵か100円の卵かは非常に気にするにも関わらず、10万円の旅行がアップグレードして12万円の旅行になったとしてもさほど気にしないのは何故か?(もちろん気にする人もいると思いますが卵の価格ほど目くじらをたてないのではないでしょうか?)
お金の価値、物の価値、時間の価値、これらは数字ではかれるにもかかわらず、私たちは実に不合理に、整合性なく、時にこれらを選択するのです。
さて、これをチャットレディにあてはめるとどうなるか?
私はこれまで時々「札幌チャットレディ日払い制!」とうたっている宣伝文句を「札幌チャットレディ月給制!」にしたい、と考えていました。
何故なら日払いだと毎日が一喜一憂で稼げて喜んだ日は女性はいいですが、稼げなかった日に極端に落ち込んで
「もうだめだ・・・自分はもうこれしか稼げないんだ・・・」
などと落ち込むことが多かったからです。しかし、実際はどうかと言うとその女性が大きく接客のスタイルを変更しない限りは、
ライブチャット業界の繁忙期と端境期(例えば年末年始の忙しい期間とその後のいったん落ち着く2月3月などです。)の給料の差はあれ、おおよその月々の時給というものはほぼ変わらないものなのです。
例えば弊社で5年ほど働いている女性がいますが、その女性の時給の差額は時給3千円~3500円の間です。この差は繁忙期と端境期に現れます。
ところが日々で見てみると、時給2千円で終わった日もあれば時給4千円で終わる日もあるわけです。
人は不思議なもので、時給4千円の日よりも時給2千円の日の方がより鮮明に覚えているものです。つまり悪い印象の方が残りやすい、ということです。
ですので常々思っていたのは日給制より月給制の方がいいのにな、、、ということでした。その方が日々一喜一憂するより、おおよそ安定して稼げている自身の給料に満足して働けると思ったからです。
ですが、通勤している女性に何十人、何百人と声をかけても月給制の方がいい、という女性はわずかに1%程度でした。
これはセイラーの法則と同じ、「1年と1ヶ月後に給料をもらえるなら1ヶ月我慢するが、今月もらえる給料を来月もらう、というのには我慢できない」ということなのです。
そこで私はこの給料の枠組みそのものを少しだけ変更してみました。
「もらうる給料は今まで通り日払いで支払い、『ボーナス』を新たに設けてその枠を来月に回すのはどうだろうか?」
つまりチャットレディの皆さんはこれまで通り給料をもらいます。しかしほんの少しではありますが増額されたボーナスの分に関しては次月に支払うことにしたのです。
そうするとこれに関しては全員がすんなりと受け入れてくれました。
つまり何が言えるかというと
『人々は確実にもらえるものはすぐにもらい、もらえるかどうかわからないものに関しては時間的猶予を気にしない』ということなのです。
一方で「もしかしてもらえるかどうか信用されていないから日払いがいい、と言われるんじゃない?」とお思いの人もいるでしょう。
しかしそうではないのです。どんなに長く働いていてお給料をもらえることが確実とわかっている女性もこういった目先の選択肢を選んでしまう。
多くの人々は「今」という概念に中毒しているのです。
例えば駐車禁止の罰金を受けたとします。私はたびたび督促状が来るまで支払いません。いつ支払っても同じなのにも関わらず時には延滞金がついてから支払うこともあります。「すぐに支払うことが損する事」と勘違いをしているからです。
例えば夏休みの宿題をギリギリまでやらない常習的な行為、恋人との決定的な問題点に目を伏せて今に満足しようとする行為(例えば相手が浮気をしている、不倫をしている、という事実をわかった上で付き合い続ける、というような行為です)、会社で大きな問題を抱えながらも今日すべきことだけで今日を終えてしまう行為、これらは全て「今」に価値を置いて将来的な価値を低く見積もっている行為です。
ですが実は将来的な問題の方が価値を大きく占めている、ということもままあります。例えば年金であり、健康診断などで将来的なリスクを軽減させる、という行為もしかりです。わかっていながらも年金の支払いを後回しにしたり、健康診断をしなかったり、人からの借金を返さずに今日の遊行費にあててしまう、などということもよくやる人がいます。
ただ実際に報酬や成果をもらえる日、期日、時間が近づくと人々はひどくせっかちになります。
自制心を持つ、ということ、より長期的な優位性のある目標に向かってセルフコントロールができる、ということがライブチャットにおいてどのような意味をもつのか?
私は尊敬する(株)ディストノア山田代表の仲介で本州の複数のライブチャット代理店の方々と交流を持たせていただく中で、ある事実に気が付きました。
その殆どが「月給制」であり、なおかつ報酬に大きな違いがある、ということでした。わかりやすくポイントではなく、報酬額で例示しますが、
札幌の弊社のチャットレディ平均平均月給額は約30万円、ところが本州の複数の(少なくとも3グループ10店舗以上の)代理店の平均的な月給、報酬額は50万円だったのです。その差は20万円。ビジュアルレベルに大きな差があるわけではもちろんありません。札幌の女性は非常に美人が多い、と定評をいただいています。
では何が違うのか?まさに報酬の支払いスパン、ここが大きく違っていたのです。教育的なものが違う、という観点もあるでしょう。しかし私もこの商売で10年ごはんを食べさせていただいています。数多くの女性の接客内容を見てきました。他の代理店経営者、もしくは教育者と大きな違いがあるとは思ってはいません。しかしその教育がどの程度女性に見についているか、もしくは見についたものを十分に発揮できているかどうか、は明白な違いがあります。
わかりやすい事例として再び行動経済学の事例に戻ります。
続きは後日。。。